「 スマートグリッド : Smartgrid 」 なる言葉があちこちで聞かれるようになったのは、
オバマ政権によるグリーン・ニューディール政策が契機であることに疑いの余地はありません。
○
環境ビジネス.jp > トピックス > スマートグリッドとは - グリッドなんて言うから、最初 「 格子 」 がどうした?などと思いましたが、違いました。
- ○
Weblio 辞書 > 英和辞典・和英辞典 > 英和辞典 > gridの意味・解説●
俯瞰的な効率的エネルギー施策が求められるように21世紀の世界が健全に成長していくには、
より効率的なエネルギー施策 が求められることは必至です。
当然のように世界各国がこの新しいエネルギー・システムへの対応を模索する動きを示しています。
・・・
更には、今ではその 「 Grid 」 から大きく飛躍し、
「 スマートシティ : Smartcity 」 のコンセプトの元、
世界各地で数え切れない程のプロジェクト が動き出しているようです。
○
経済産業省 > 環境・エネルギー分野における有望技術を用いたまちづくりの海外先進事例 (pdfファイル) - ちなみに、よく耳にするプロジェクトには ・・・
- ● マスダール・シティ (UAE)
- ● デリー・ムンバイ間 産業大動脈構想 (インド)
- ● 済州島プロジェクト (韓国)
- ● 天津エコシティ (中国)
- ● ピーカンストリート・プロジェクト (米国)
- ● アムステルダム・スマートシティ (オランダ) など
これらの都市実験プロジェクトが雨後の筍のように世界で立ち上がってくる事実は、
エネルギー問題に加えて交通、情報通信等のインフラへの早急な変革が求められている とことの現れです。
・・・
この 「 スマートシティ 」 への日本国内対応は、これもとても褒められたものとは言えないようですが、
一応、国の後押しを得た4つのモデル都市が動き出しているようです。
- 横浜市、豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、北九州市
- ○
経済産業省 > 「次世代エネルギー・社会システム実証地域」の選定結果について・・・・・・
・・・・・・
また、昨今 「 スマートシティ 」 の他に
「 コンパクトシティ : Compactcity 」 なんて言葉も聞きます。
・・・
無秩序に拡張を繰り返した末の弊害ばかりか、中心部空洞化が都市そのものの衰退へと至った反省もあり、
自然・社会環境施策、また財政的な観点からも
街機能を核化させた都市形態の再構築 を目指すものです。
○
国土交通省 > 「エコ・コンパクトシティ」の実現~都市政策の基本的課題と方向検討小委員会報告より抜粋~ (pdfファイル)「
コンパクトシティ 」 は、行き詰ってしまった現代都市の形而上的課題への弁証論的解法、
「
スマートシティ 」 は、これからの都市に求められる形而下的課題への対処法みたいな処でしょうか。
・・・
いずれにしろ21世紀に入り、
世界の都市が新たな姿を必死に模索している ことだけは確かです。
- もはや20世紀に持て囃されたイケイケドンドンでは、社会が、世界が、そして何よりも地球がもたないのです。
- 「 やりたい所だけやれば 」 なんてことじゃなくて、全ての都市は安穏としていてはいけないということです。
●
急がば廻れだ、( スマート+コンパクト ) シティさて、そこから諸々のプロジェクト都市は各自の模索をどう実体化させているのでしょうか。
・・・
大きく
二つの指向 があるようです。
一つは
<既存の都市のインフラを再構築 するタイプ、一つは
新規にまっさらの都市 を創っちまおうのタイプ。
- 押しなべて先進国は前者、新興国は後者の傾向。
- ・・・
- 思えば産業革命を経ての丁度一世紀前には、やはり都市計画がニョキニョキと勃興しており、
- 既存都市の再開発はもとより、幾つものニュータウンが建設されたことは記憶に新しいですね。
しかし、これまで
新規に創り出された「新都市」が成功したとは言い難い 現実があります。
更地の上に建設された都市が人の知覚や感情に馴染むよう成長するには、相応の時間が必要なのです。
- 西洋での成功事例を問えば、旧市街に隣接させた新市街建設だけと言っても過言ではないかも。
実験と割り切るならば、新規のスマートシティは低リスクな分だけ容易く建設できるのでしょうが、
本当に、そこで人が
「 生きた生活 」 を送れるのだろうかという疑念を抱かざるを得ません。
・・・
リスク並びに越えなければならない壁も多いでしょうが、
- 越えなきゃ未来はないでしょうけど!
「 既存都市のコンパクトシティ化再構築のスマートシティ 」 が、結局は ・・・ 最も成功に近いのではないでしょうか。
- 新規スマートシティは実験としては成功を掴めるかもしれないけれど、・・・
- そこに人は住んでいますか? そこに生活はありますか? そこに時間は流れていくでしょうか?
- ・・・
- 旧来型の宅地開発でも、続々とゴーストタウンを生み出し続けている中国の様子など見ると、特に。
Smart City 「 名古屋トライアングル 」戦前の街がそのまま継続していたならば、名古屋の街はさぞ面白かっただろうと思います。
- 街中は戦火に丸々燃えたんだそう。残念なことに、国宝であった名古屋城も。
- ・・・
- しかしその反面、100m 道路をはじめ、名古屋の代名詞とも言える広い道路が生まれたのも事実。
●
名古屋の街に思いを馳せて、「 名古屋トライアングル 」名古屋の人には嫌な顔をされますが、私は今の
名古屋街中の景観になかなか馴染めません。
人のスケール(ヒューマンスケール)と明らかにズレている と感じるからです。
- これは、
車のスケール です。車のスピードに合わせたスケールですね。
- 残念ながら、人が歩いて心地いいスケールとは全く違うことを実感します。
・・・・・・
・・・・・・
とは言え、
戦後の道路拡張を基軸とした都市復興策 が街の発展に寄与したことは疑いようがありませんし、
また
その資質があってこその21世紀名古屋 は、
名古屋ならではの都市形態・景観を創り出す可能性も秘めていると思うのです。
- ここに来て 「 スマートシティ 」 コンセプトのように国内視野に囚われるなんてことを超越して、
- 世界的スケールで都市競争が始まったことは、名古屋にとってとてつもないチャンスです。
先代が残してくれた名古屋の
「 道路財産 」 を活かして、
大小2つの三角形 で創られる
スマートシティ 「 名古屋トライアングル 」 を名古屋の街中に埋め込みたいと切に私は願うのです。
スポンサーサイト
Comment